氷感について
氷感について
氷感とは
氷感とは
氷点下で凍る水分子に、高電圧の力を付加することで、凍結しにくい状態を作る技術です。一般的に農産品は低温になるほど鮮度力が高まりますが、凍結してしまうと見た目や味が落ちてしまいます。氷感はこの凍結リスクを回避して農産品を低温保存することができます。
氷感保存の仕組み
氷感保存の仕組み
通常の温度
通常の温度の場合、水分子は結合せず一定の間隔を保っています。
冷凍庫
氷点下の冷凍庫では、水分子同士が結合し凍ってしまいます。
氷感庫
氷感庫は、高い電圧を流すことで微振動を与え、水分子同士が結合しない状態を作るため、凍結点付近でも食材が凍りにくくなります。
氷感の主な構造
氷感の主な構造
氷感庫の電圧は3,500ボルトから最大7,000ボルトかかります。食材に高い電圧が確実に伝わるようにアルミ素材を使用しています。
氷感は左図のように、食材に電圧が伝わる仕組みになっているため、凍結点付近の温度帯での保存を可能にします。
氷感がもたらす効果
氷感がもたらす効果
01
鮮度維持
農産品は収穫直後から鮮度が落ちていきます。氷感庫はこの鮮度劣化のスピードを遅らせることができます。氷感技術を活用することで、長期間鮮度をそのままに保ち、収穫直後に近い状態での流通が可能となります。また、端境期に合わせた販売機会の延長も実現できます。さらに一部の生産者様は氷感利用を前提として、農作業工程を見直し労働効率の改善も実現しています。
桃
保存1ヵ月目■ 冷蔵庫:腐敗しカビが発生
■ 氷感庫:腐敗せず新鮮な状態を維持
レタス
保存2週間目■ 冷蔵庫:外葉からしなびている
■ 氷感庫:シャキシャキの状態を維持
いちご
保存3週間目■ 冷蔵庫:傷んで黒ずんでいる
■ 氷感庫:採れたてとほぼ変わらない
うに
保存2週間目■ 蔵庫:淵の部分から変色している
■ 氷感庫:変色せず新鮮な状態を維持
02
低温熟成
一部の農産品では、低温熟成(低温順化)による味の向上が図れます。また、肉類では、菌の繁殖を抑制することで長期ウエットエイジングが可能となり、歩留まりの良い熟成品を作ることが可能です。
氷感庫に入庫し、1週間後のアミノ酸の変化を調査
■ 使用氷感庫/スタンダードタイプ
■ 設定/温度:−2℃ 電圧:3,500V
03
低温解凍
氷感庫では低温での解凍が可能です。これにより、流水や氷水を使わなくても対象品の熱を上げずに解凍することができます。もちろん水道代も掛かりません。また、氷感では中心部から解凍されドリップ量が少なく、味の劣化も防げます。